 
 婚活をしていたあの頃の私は、とにかく“好かれる自分”でいなきゃって思ってた。
 アイシャドウは濃いめ、髪型はショートカット。
 黒のモダンな服で、どこか強そうな自分を作り上げていた。
 怖いくらいに“戦闘モード”だったと思う。
本当はそこまで気が強いわけじゃないのに。
 本当は、不安で、自信がなくて…
 「こんな私じゃ選ばれない」って、自分の素をどこかで否定してた。
 
  
 そんな中で出会ったのが、今の夫だった。
 どんな私でも、楽しそうに話を聞いてくれる人だった。
 「一緒にいると楽しい」って言ってくれたとき、
 心の鎧がすーっと外れていくのを感じた。
メイクを落とした素顔の自分。
 ちょっと弱音を吐いたり、感情的になったりする自分。
 そういう部分を見せるようになったとき、婚活が“戦い”じゃなくなってた。
 
 婚活中って、「どう見られるか」に敏感になるよね。
 でも本当に大事なのは、“自分らしくいられるかどうか”。
 誰かに「選ばれる私」を演じるより、自分自身が「一緒にいたい」と思える人に出会えることの方が、ずっと大切なんだと思う。
あの頃の私に、そっと伝えたい。
 あなたはもう、“選ばれる価値がある”んじゃなくて、
 “そのままで、誰かにとってかけがえのない存在”なんだよ、って。