 
 大学時代から社会人にかけて、6年近く想い続けていた人がいました。
 何度も諦めようと思ったけれど、やっぱり彼が一番。
 そうやって想いを抱えたまま、ようやく覚悟を決めて告白。
でも返ってきた言葉は──
 「妹にしか思えない」
 …それだけでした。
その時、不思議と涙は出なかったんです。
 むしろ、「やっと終わった」と肩の荷が下りた気がして。
 
 もう気持ちは整理できたと思っていた。
 なのに、婚活を始めるとふとした瞬間に彼の存在がよみがえる。
 「この人、◯◯くんより話し下手かも…」
 「◯◯くんだったらこう言ってくれるのにな」
比べても意味がないと分かっていても、心が勝手に比べてしまう。
 それは、自分でも気づかないうちに、“理想の相手”が
 彼の姿でインプットされていたからかもしれません。
 
 婚活でうまくいかない日が続いたある日、
 「私は今の人じゃなくて、過去の誰かと付き合おうとしてるんじゃないか」
 ふと、そんな思いがよぎったんです。
それから、私はあることを“やめてみる”ことにしました。
 それは「比べること」。
“元彼と違う”は、“ダメ”じゃない。
 “違う”だけで、“その人自身の魅力”を見ようって思ったんです。
すると、不思議と心がラクになっていきました。
 
 過去の恋は、どこまでも美化されやすい。
 でも、それと同じ恋をもう一度しようとする必要はない。
 今目の前にいる人との関係を、ちゃんと“今”の気持ちで見ていきたい。
 そう思えた時、私の婚活は少しずつ前に進み始めました。
 
 忘れたふりをしなくていい。
 でも、比べ続けるのは、もうやめてあげよう。
 過去の恋に区切りをつけられるのは、
 過去の自分を認められたときなんだと思います。
あなたのこれからの恋は、“誰かよりもいい人”ではなく、
 “あなたと合う人”と築いていける。
 そう信じられる日が、きっと来ます。